07/06/03 樹林とススキと岩尾根と・・・乾徳山をよじのぼる
「風林火山」の武田信玄公の菩提寺 “乾徳山 恵林寺”の開祖 夢窓国師が修行した山・・・らしい。
なんとなく奥秩父山域の前衛という役割分担を担っています。この乾徳山。
奥武蔵の里山からつながる東部と甲武信、国師、金峰へつながる西部とでは
同じ山域でもまったく違う顔を見せてくれます。
なんてそれっぽいコメントを入れつつ・・・
標高は2,031m、聞くところによると樹林に始まりススキ原、岩稜帯と変化に富んだ楽しい山だとか。
昨年の秋に行きたかったのだけれど延び延びになり・・・
「なんとか入梅前に。」ということで行って来ましたよ。
大平(おおだいら)牧場まで車で入れば標高にして500mも稼げるのだけど今回は麓の徳和から登ります。
標高差1,200m・・・大人でも結構なお仕事ですよ・・・2人とも大丈夫か?
04:00 自宅発 05:00 秩父市役所 05:50 雁坂トンネル 片道 ¥710 秩父も変わったよねえ。ループ橋にダムにトンネル・・・ 便利にはなったけど・・・うぅ〜む・・・しかしスゲイトンネルだ 一般国道では日本一の長さらしい。 トンネルを出てループの下に西沢渓谷の駐車場を通過。 06:05 道の駅みとみ 最高の天気。見えるのは木賊山? 広瀬湖を右に見ながらR140・雁坂道を南下します。 笛吹温泉郷の旅館を通過してトンネルを2つくぐったら 「徳和入口」の信号を右折。 |
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徳和川沿いの道を登るとやがて徳和の集落に 橋のたもと、右側に登山者用の無料駐車場があります。 06:25 徳和駐車場 20台くらい止められるかな?
さあ、身支度を整えて準備体操! 06:45 駐車場 発 |
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ここはバスが通っています(駐車場)・・・時刻表です。 しばらくは集落の中の車道を歩きます。 |
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徳和神社 山行の安全を祈願してお参り。 ご利益ありますよ(実証済み) 07:02 15分ほど歩くと林道左側に駐車スペースが。 10台弱 駐車可。 ここに止めると車道歩き20分ほど短縮できるけど 下山に道満尾根を・・・なんて考えていたので 今回は下の駐車場を使いました。 |
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林道をグイグイ詰めます・・・結構あるなあ、林道。 07:20 登山口 げえ!立派な看板!!こりゃあ間違いようがないよね。 そしてすぐに「危険!熊!出没!注意!!!」 はいはい、鈴を鳴らしましょう。効き目あるのか?これ。 歩き出して5分、ユータローが突然鼻血をブーっと。 ダラダラ垂れて止まりません (;・∀・)ダダイジョウブ・・・? 昔は「上向いて後頭部をトントン」でしたが最近は違うのね 下を向いて止まるまでダーっと出しちゃいます。 ポタポタ垂れる鼻血・・・やがてストップ。 30分ほど休憩して出発! |
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08:03 林道を横切る 08:15 銀晶水 2日目に雨が降っているので結構流れてます。 のぼせて鼻血ブーのユータローにとっては恵みの水。 顔を洗ってクールダウン。 植林帯のさえない登山道を登ります。 |
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道が良いので等高線ほど傾斜を感じずに登れます。 08:35 駒止め 駒止めってくらいだから昔はここまで馬で入ったんでしょうか? 展望無しの結構な登りに少々凹み気味。 08:55 一本(1,410m付近) 09:06 発 登山道に岩が多くなってきましたよ。 |
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植林帯も終り、広葉樹の気持ちの良い登りになります。 上り口からほぼ一定だった傾斜がふっとゆるくなると 09:18 錦晶水 こちらもたっぷりの流量。十分水分を補給します。 09:30 錦晶水 発 |
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錦晶水を過ぎるとまるで別世界・・・ 最高の天気ですわ・・・ここは・・・ 国師が原と呼ばれる高原地帯に突入。 |
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行く手を仰ぐと 次の目的地の扇平(おおぎっぴら)と 最大の目標・・・山頂・・・ガスってんじゃん・・・ |
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09:38 国師が原 右に行くと道満尾根、左は高原ヒュッテを通って水のタル 我々はもちろん直進して扇平・月見岩へ。 右側にはずーとフェンスが見えます。鹿よけかな? |
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背の低い木の間を登ると突然こんなススキが原に・・・ 月見岩が見えるのだけれど・・・見えるからなお辛い。 |
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10:03 月見岩 確かにお月見したら最高だろうなあ・・・ 岩の上で記念撮影。そして大休止。 ここでは大平牧場からの団体さん達と合流しますよ。 月見岩は結構な混雑でございます。 団体さんたちは先に出発したのでこれからの鎖場での 渋滞を見越して時間調整。のんびりしましょう。 10:25 月見岩 発 |
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10;30 扇平道標(1,850m) 月見岩より一段高い鞍部に扇平の新しい道標があります。 月見岩を振り返ります。 秋に登った大菩薩方面・・・うわっ、展望は絶望か・・・ |
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残り標高180m・・・ここからがこの山のハイライト。 徐々に岩が多くなります。 こんな岩の隙間を登ったり・・・ |
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こんな岩に張り付いてカニ歩きしたり・・・ 左側スッパリのガクブル地点を通過したり・・・ 岩の切れ目の梯子を下ったりしますよ。 このあと2箇所の鎖場がありますが、結果ここが一番 怖かったような気がします。 左側が切れ落ちているだけに高度感抜群です。 |
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最初の鎖場・・・スタンスもホールドもたくさんあるので 鎖は必要ありません。 ちなみに鎖は2段になってます。 |
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そして乾徳山名物、頂上直下の鎖場です。 人の大きさをみれば崖のスケールがわかりますね。 頂上は狭いので団体さんはここ(この写真の撮影地点) に荷物をデポして山頂をピストンするようです。 |
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壁のすぐ下にやってきましたよ。 右側に巻き道があるので子供たちが「無理」だと言うなら そちらを廻ろうと思ったのですが、2人とも「行く!」と。 下から5m程はホールドが無いので鎖に捕まって腕力で グイグイ行くしかなさそうです。 先行するお兄さんのあたりまで登ったら右手にトラバース。 そこから上は鎖無しで問題無しです。 とりあえず父が見本を・・・中段で2人のクライミングを見守ります 下からは一緒になった団体さんのベテランさんが指示してくれた ので2人ともなんなく通過。 本当にありがとうございました! |
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この岩を登りきると ドォ〜〜ン! と頂上です。 11:30 乾徳山 (2,031m) さすが人気の山、200名山ですねー。 頂上はごったがしてます。両神山みたい。 さっきの鎖場で子供たちに指示をくれたおじさんにお願いして 記念撮影。
せっかく1,200mを登りきったので頂上の片隅で昼食です。 ・・・とここで大失態・・・詳しくは後ほど・・・ |
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ああ、せっかくの大展望も今日はガスガス・・・ お隣の黒金山も見えません。 しかし、子供たちは「雲の中に入った!」と大興奮。 ビニール袋を振り回しています。 「何やってるの?」と聞くと「ママへのお土産に雲を持って帰る」 のだそうで・・・ 子供の想像力は無限大・・・ウラヤマシス・・・ ごった返していた山頂も寂しくなったのでそろそろ出発。 12:23 山頂 発 |
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山頂からは来た道を帰るのではなく、一旦黒金山への 縦走路を進みます。 こんなアルミの梯子を下って岩尾根を進みます。 岩を下って鞍部に出るとそこが水のタル 12:34 水のタル ここからルートを左にとり、南側の山腹を巻いて国師ヶ原 に至る下山用の迂回新道を行きます。 |
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ガレ急斜を下ります。 所々ロープがあり、「これでもかっ!」と言うほど赤テープが あるので道に迷う心配はありませんが・・・ 絶対に登りには使いたくないなあ。雨の日も勘弁・・・ |
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でもまあ鎖場を下る事を考えたらこちらの方が気が楽か。 やがて下草に笹が出始めると傾斜もゆるくなり 国師ヶ原ももうちょっと。 |
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高原ヒュッテが見えたと思ったらヒュッテの裏手に鹿の群。 | |
13:55 高原ヒュッテ 昭和の登山ブームに営業小屋として生まれたらしい。 いまではウスラ寂しいことになっていますが十分宿泊できます。 クリックで小屋内部。 |
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14:06 国師ヶ原 朝の時点では下山はここから道満尾根を考えていたのですが 時間を考えて朝と同じ道を下山します。 14:18 金晶水 空になったペットボトルに水を補給 14:47 駒止 14:57 銀晶水 駒止の上部から植林帯に入ると途端に薄暗くなって少し寂しい 気分に・・・2人とも「早くかえりたいよ〜。」 でも歩かないと帰れないんだよねー。 15:19 登山口 やっと戻って来ましたよ。 ここから最後の締めくくり、林道歩きです。 慣れないときついんだよねーこれが。 駐車場まで約30分(途中神社にお参りとトイレ休憩) ユータローはもうダウン寸前・・・足が痛いと半べそです。 駐車場に着いたとたんに泣き出しました(笑 15:20 駐車場 着 いや本当によく歩いたぞ、二人とも。えらかった。 標高差1,200m。これを歩ききったのだから大きな自信に して欲しいな。 千丈あたりだって余裕で歩けるんじゃないの? |
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そして帰りは みとみ温泉 笛吹きの湯 へ。 http://www.city.yamanashi.yamanashi.jp/kanko/relaxing/04.html#1 ああぁぁぁ・・・最高だ・・・山の後の温泉・・・最高だ! 父、大失態の巻・・・ それは山頂での出来事。 狭い山頂の片隅で昼食を取っていたんですが、ふとしたきっかけで足を踏み外し・・・3mほどの転落事故をやらかしてしまいました。 運良く、本当に運良く何処にも触れずに枯葉の積もるフカフカのテラス状の段差に着地。 信じられない・・・普通なら岩にぶつかり大怪我。着地点が岩なら骨折。そのまま滑落して死亡事故・・・ 考えただけで寒気が走ります。 入山前から心配だった鎖場を無事に乗り切って気が緩んだんでしょうか・・・不幸中の幸いでした。 岩の上から「パパー!」と私を呼ぶ声が。 パニック状態の頭を無理矢理落ち着かせて「大丈夫だよー、今登るから。」 岩場をよじ登ってもとの場所に戻るとユータローが泣いていました。 ビックリしたろうなぁ。 私が目の前からいなくなり、とっさに下を覗き込もうとしたユータローを「危ないから」とナツが止めてくれたそうです。 ごめん、本当にごめん。怖い思いをさせてしまった。 「油断」ですね。本当に恐ろしい。 事故なんてこんな風に起こるんだとしみじみと実感しました。 今回は奇跡的に無傷でしたが、まぎれもなく「転落事故」です。 このとき頭をよぎったのは「乾徳神社」 普段は神社なんて素通りしてしまうのですがこの日だけは何故か足を止めてお賽銭を投げ、山行の無事をお願いしたのです。 「ああ、守られたんだなあ。」と本当に思いました。 もし死亡事故、そこまで行かなくとも骨折などの大怪我を負っていたら・・・ 2,000mの山頂で子供たちはどうしたのか? 軽率な行動を深く、深く、本当に深く反省したのでした。 今回の山行を教訓にすべく、恥ずかしながらここに記しました。 |
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